TL最終節「熱い1日」&「中年の星」 神鋼・伊藤&東芝・松田 | ラグビージャパン365

TL最終節「熱い1日」&「中年の星」 神鋼・伊藤&東芝・松田

2012/02/06

文●大友信彦


ラグビートップリーグ最終日。各地で熱い戦いが繰り広げられた中、東京・秩父宮ラグビー場では、プレーオフ進出と、セミファイナルの組み合わせをめぐって激戦が繰り広げられた。

第1試合は、プレーオフ進出をかける神戸製鋼と、前節まで1位のサントリーが対決。神戸製鋼がみごとな戦いを見せた。FWが激しくサントリーのディフェンスに身体をぶつけ、ブレイクダウンでプレッシャーをかける。
「スカウティングでサントリーの各選手の動きを分析して癖は分かっていたし、東芝がサントリーに勝った試合も参考になりました」(苑田右二ヘッドコーチ)

印象的だったのは、前半38分の神戸製鋼のトライ。CTBフレイザー・アンダーソン選手がキックを蹴って追って拾って、タッチ際に詰まりながら内をサポートしたFLブラッキー選手へパス。見事にインゴールへ走り込んだブラッキー選手はポストすぐ右まで回り込んだが……イージーに見えたゴールキックを濱島選手が失敗。

何か、バランスを崩したように見えた。

試合後、苑田ヘッドコーチに聞いたところ、試合前のゴールキック練習は「5分以内、2人だけ」という規定で、神戸製鋼からはレギュラーキッカーの山本大介選手とスーパーサブキッカーのグラント選手の2人しか練習できなかったとのこと。

しかし、前半に山本選手が腿を痛め、グラント選手はリザーブ。第3キッカーの濱島選手、第4キッカーの正面選手はプレースキックの練習をできずじまいのままで試合に臨んだという事情があり、濱島選手はぶっつけ本番でキックに臨んだわけだ。

畠山選手がボールを奪った瞬間です

畠山選手がボールを奪った瞬間です

試合前のキッカー練習に時間制限があるのはやむをえないし、基本的には両チームイコールコンディションであるべき。とはいえ、今季の秩父宮は、神戸製鋼は第4節のNTTコム戦以来、2ヶ月半ぶりで今季2度目。
対するサントリーは、年が明けてからだけでも4回目、今季7回目の秩父宮。悪コンディションにも慣れていた。
グラウンドコンディションがここまでひどい状態になってしまった以上、主催者はチームに対して配慮しても良かったんじゃ…と思った。

そして勝ったサントリー。
後半22分、トライ体勢に入った神戸のネーサン選手からボールを強奪したPR畠山健介ゲームキャプテン渾身のジャッカルはみごとの一言。

「あのプレーは無我夢中でよく覚えていないんです。ただ、今年は一緒にプレーしているジョージ・スミスやフーリー・デュプレアが諦めないディフェンスをみせてくれるんで、僕らも諦めないで戻ってタックルする意識がついてきた」

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